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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名センキュウ
ラテン名Cnidium officinale Makino
文献コードCnidium_officinale-Ref-1
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)昭和63年度共同研究報告書、道産生薬の品質向上と育成に関する研究、平成元年3月、北海道立衛生研究所、北海道立北見農業試験場、北海道立林業試験場、北海道立中央農業試験場、p.2-5
要約(和訳)センキュウの黒色根腐病による減収を防ぐ目的で、組織培養法により無菌株の作出を試みた.その結果、センキュウの茎頂培養に成功し、そのカルスから不定芽を誘導し、無菌株の作出に成功した. この無菌株を増殖し、圃場での生産力を調べたところ、生産力は従来の方法で増殖したものに比べ、僅かではあるが向上することを認めた.今回の試験では無菌株から黒色根腐病の発生は認められなかった.
目的センキュウの黒色根腐病による減収を防ぎ、生産性を向上させる
材料(品種,系統,産地,由来)北海道産センキュウの根茎
外植片0.2-1.0㎜の茎頂組織
初期培養0.2-1.0mm大の茎頂組織片をMurashige & Skoog 培地(MS培地)十ナフタレン酢酸(NAA) 0.5mg/L+ベンジルアデニン(BA) 0.02mg/L+ショ糖3.0%+寒天0.7%(pH 5.6)を基本培地とし、茎頂組織片の大きさおよびジベレリンA3( GA3)添加(0、0.1、1.0 mg/L)が幼植物再生に及ぽす影響について検討した結果、組織片の大さきが0.2mmでも幼植物の再生が可能であったが、組織培養により無菌株を効率良く得るための茎頂組織片の大きさは0.5mm 前後が適当と思われた.GA3が幼植物再生に及ぽす影響について検討したところ、GA3添加および無添加条件のどちらでも幼植物が得られたが、得られた幼植物を圃場栽培すると、GA3 1.0 mg/L 添加で明らかに生育促進効果が認められた. 茎頂組織片からのカルスの形成及びシュートの生長に及ぼすNAA(0.1、0.3、1.0、3.0 mg/L)-BA(0.1、0.3、1.0、3.0 mg/L)の影響を調べた結果、カルスの形成は、NAA 3.0 mg/L+BA 0.3-3.0 mg/Lで、シュートの生長はBA濃度が低いほど良好であった。培養条件は、20℃、24時間照明、3,000-5000 lux.
シュート増殖約90日間NAA 3.0 mg/L+BA 0.3 mg/L添加MS培地で誘導したカルスを約5 mm に分割し、カルスからの不定芽形成に及ぼすBA濃度の影響について検肘した結果、正常なシュートはBA無添加で、また、へら状シュートはBA 0.01 mg/L 添加で、カルス当りの本数は多かった.この結果より、多数のシュートを得るためには、BA 0.01 mg/Lを添加したMS培地を用いるのが適当と認められた.
発根カルスより得られた正常シュート、へら状シュート共に、ホルモン無添加培地に移婚すると90-100 %発根し、また、へら状シュートも正常なシュートになった.
馴化条件記載無し
鉢上げ・定植記載無し
栽培条件記載無し
再生植物体の形質記載無し
分析した成分記載無し
成分の抽出法記載無し
分析法記載無し
備考