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組織培養物及び効率的増殖法_文献

植物名ショウガ
ラテン名Zingiber officinale Roscoe
文献コードZingiber_officinale-Ref-4
出典(著者,雑誌,巻号頁,発行年)Rout G.R., et al., In Vitro Cell. Dev. Biol.-Plant 37: 814-819 (2001)
要約(和訳)26.6 µM 6-benzylaminopurine (BA)、8.57 µM indole-3-acetic acid (IAA)、1111.1 µM adenine sulfate及び3% (w/v) sucrose含有Murashige and Skoog (MS) basal mediumでの茎頂培養により、ショウガ栽培種V3S18のシュート増殖を行なった。4.44 µM BA、5.71 µM IAA及び 3-8% (w/v) sucrose含有MS培地での8週間の培養により、培養シュートより培養根茎が形成した。培養条件(明期、炭水化物の種類、栄養成分及び植物成長調節物質)を変化させ、培養根茎の収量が最大となる条件を調べた。試験した種々明期の中では、24時間明期が他の明期よりも培養根茎形成に効果的であった。試験した炭素源の中では、ショ糖が最も培養根茎形成に効果的であった。培養根茎は、混合土に定植後2週間以内に出芽した。出芽した植物体は、圃場条件でも生存し、正常に生育した。
目的植物組織培養での効率的ショウガ増殖法と培養根茎形成法の確立
材料(品種,系統,産地,由来)the High Altitude Research Station of Orissa University of Agriculture and Technology, Pattangi, Orissa, Indiaより収集したショウガ(Zingiber officinale cv. V3S18)の根茎
外植片滅菌し湿潤させた砂土中で出芽させたショウガ根茎
初期培養青白い出芽した芽を集め、2%洗剤`Teepol' (Qualigen, India)で15分間洗浄し、引き続き 0.2% (w/v)塩化水銀水溶液で25分間表面殺菌後、滅菌水で数回濯いだ。解剖用顕微鏡下で頂芽を切り取った。葉原基1又は2枚の茎頂(0.1-0.5 mm)を切り取り、外植片とした。シュート増殖のため、MS (Murashige and Skoog)培地に種々のサイトカイニン、例えば、6-benzylaminopurine (BA: 0.0、2.22、4.44、6.66、8.88、13.3、17.77、22.2及び26.6 µM)、kinetin (Kn: 0.0、2.32、4.64、6.96、9.28、11.6、13.9、18.56、23.2及び27.9 µM)、adenine sulfate (Ads: 370.4、740.7、1111.1,及び1481.5 µM)、オーキシン例えば indole-3-acetic acid (IAA: 0.0、2.85、5.71、8.57及び11.42 µM)、 indole-3-butyric acid (IBA: 0.0、2.46、4.92、7.38及び9.84 µM)及び1- naphthaleneacetic acid (NAA: 0.0、2.68、5.37、8.05及び10.7 µM)を添加した。培地のpHはオートクレーブ前に5.8に調整した。各処理区25培養物、3反復とした。培養25±2℃、16時間明期(蛍光管、55 µE m-2s-1)とした。 植物成長調節物質無添加培地では、茎頂の成長も増殖も認められなかった。培養4週間後、最大のシュート増殖(32.4)は、26.6 µM BA、8.57 µM IAA及び1111.1 µM adenine sulfate添加培地で得られた。
シュート増殖初期培養物より3-4 cm高のシュートを分割し、種々濃度のBA (0.0, 2.22, 4.44, 6.7, 8.9, 13.3,及び17.8 µM) 、KN (0.0, 2.32, 4.64, 6.96, 9.28, 11.6及び 18.6 µM)、IAA (0.0, 2.85, 5.71及び8.57 µM)、NAA (0.0, 2.68, 5.37及び8.05 µM)、3% (w/v) sucrose含有MS半固形培地、16時間明期(55 µE m-2s-1、 蛍光管)、25±2℃で培養した。高い培養根茎形成率は、4.44 µM BA、5.71 µM IAA、3% sucrose含有MS培地で認められた。 2番目の実験では、MS培地に4.44 µM BA、5.71 µM IAAと種々炭水化物(sucrose、maltose、glucose及びfructose)を添加し、培養根茎形成を調べた。使用した炭水化物のうち、根茎形成にはsucroseがd-glucose、maltose及びfructoseに比べて有効であった。 3番目の実験では、MS培地に4.44 µM BA、5.71 µM IAAと種々濃度のsucrose (1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10%)(w/v)を添加し、培養根茎形成の最適化を試みた。 その結果、6-8%sucroseの根茎形成率が最大となった。 4番目の実験では、明期の長さ(0h、8h、16 h、24 h:蛍光管:55 µE m-2s-1、25±2℃)が培養根茎形成に及ぼす影響を調べた。その結果、24時間明期で培養根茎形成数が最大となった。
発根
馴化条件培養した幼植物から根茎を集めて滅菌水で洗浄し、土-砂-牛糞(1:1:1)を混合した土を入れた陶器鉢に植えた。陶器鉢は、根茎からの出芽及び生育のため、温室で維持した。潅水は2日毎に行なった。種々処理で得られた根茎を混合土に植えた。 最大の出芽は、4.44 µM BA、5.71 µM IAA,、8% sucrose添加、 24時間明期、8週間の培養で得られた根茎で認められた。出芽したシュートは、正常な形態で健全に生育した。8時間又は16時間明期で得られた根茎は、出芽が遅れた。
鉢上げ・定植
栽培条件
再生植物体の形質
分析した成分
成分の抽出法
分析法
備考